Statement 23 (2016年)

 

今回は、 

「環境転送は、importと、何処が、本質的に違うのか?」

を、キチンと論証しておきます。  

まず、MSが意図的に侵害したことを示す証拠として、

「Windows XPでの転送専用ケーブル」

がありました。

私の特許で、専用ケーブルのことを記載していましたからね。

それ以前のWindowsには、こういう転送用ケーブルは無かったの。

よって、初期のXPの時代には、この事実をもって、特許侵害だと主張しました。

しかし、MS側は、認めようとしない。  

 

当時は、特許ゴロが、我も我もと、一攫千金を狙って、訴訟を起こす始末。

よって、MSが採用したのが、

「どのケースでも侵害は認めない。

訴訟で負けたら、支払う。」

というポリシー。

ホント、迷惑な話でした、私から見れば。

現実に、MSは、露骨に、特許侵害したのですよ、目の前で。

経緯を見れば、一目瞭然でしょう。   

それなのに、そこらの有象無象と一緒くたにされたの。 

 

それでも、MS側にも、私に訴訟を起こされると、不利になる程度の認識はあった模様。

当然でしょうな。

それが証拠に、手紙を出すと、返事は寄越した。

但し、内容は、特許侵害を認めず、ノラリクラリと言い逃れするだけ。

特許ゴロ相手の、汎用作戦。

一方、私の方は、あの時点では、訴訟費用が準備できませんでした。

その結果、今や、ケーブルでの特許侵害は、時効カモ。

MS側の時効作戦ですね。 

 

それでも、私は余裕でした。

本質で、特許侵害してると思っていたからです。

ターゲットは、設定情報の転送機能。

こちらが根幹です。

但し、あの段階では、証拠無し。

探せばあるだろう程度。

下手に発見開示すると、また時効になるし。

それよりも、まず、先立つものを準備しないと。 

 

で、当時は、金の準備を進めながら、

「メールの設定情報を転送できるのが新しい。」

と宣伝しました。 

こういうビジネス。 

これの意図は、前回の陳述で述べた通りです。

要は、従来のimport機能との基本的な相違を示す必要があります。

MS側が、そう要求してきたわけです。

つまり、特許無効化を狙う作戦ですね。 

この為には、個別アプリのimportでは、絶対に得られない転送機能を提示するしかない。

しかも、特許に記載の範囲で。 

 

その一例として、メール設定機能を挙げて、市場調査してみたわけだ。 

勿論、これは、本丸ではありません。

そうじゃなく、MS側の反応を見るのが目的。

だって、この段階で具体例を挙げても、金の準備ができてません。

よって、訴訟できずに、時効を迎えるだけです。 

その後、メール設定情報は、気軽に、単体で、importされ始めましたが。

当時は、そんな簡単なものじゃなかったの。

まだ、電話回線でのダイヤルアップ接続が残っていた時代よ。

 

で、この指摘をすると、案の定、MSは、直ぐに、次の手を打ってきた。

なんと、メール機能をWindowsから切り離したのです。

それまでは、Windowsを買うと、付属で、outlook expressが付いてきましたが。

あっさり、それを中止した。

代わりに、live mailを無料で、後からダウンロードさせる作戦に切り替えです。 

この事実一つ取っても、MSが私を気にしていたことが如実に判ります。

実際、MS側は認知できているからです、自分達がアイデアを盗んだことを。 

 

但し、MS側は、ポリシーに従って、これも偶然だと言い張るはず。 

一方、当方は、手紙の遣り取りで、牽制しつつ。

相手の出方を窺っていると。

こちらが、いつまでも、正式に訴訟に踏み切らないものだから、調子に乗ってしまったの。

馬鹿な手紙を寄越した結果、こちらは、時効の心配をする必要が無くなったという筋書き。

これで、次の手を公表せず、密かに、訴訟準備に邁進できる身分になったわけです。

 

いずれにせよ、今まで、水面下で、というか、公開の場で、火花を散らす戦いをしてきたの。 

MSは職人集団だから、反射神経で、反応するのは素早いのですが。

如何せん、本質が掴めてない。

だから、最後は、負け戦になることが読めてなかった。

で、愈々、私の準備完了。

具体的に、何処から攻めるか?

 

やはり、設定情報です。 

しかも、各アプリでは、絶対に、設定できない種類の設定情報。

勿論、それまでには、出現したことのない機能。  

それが、どんな汎用データベースアプリでも無理。

「OSも、一種のデータベースアプリだろう。」

と言い張っても駄目。 

その一例が、文字のサイズ設定です。

コントロールパネルの解像度の調整の箇所で実行できる機能。 

 

これは、OS側で設定すると、それが、全てのアプリに影響するの。

意味が判るかな?

その設定後、後から追加でインストールした新アプリにも、文字サイズは影響するということ。

この意味で、import機能で禁止される

「他のアプリへの影響」

という項目を、見事、達成しています。 

これにて、importと環境転送の本質的相違が明らかになりました。

 

特許には、コントロールパネルの設定情報の転送を具体例として挙げています。

そして、文字サイズの変更は、コントロールパネルの設定情報です。

よって、Windowsが、実際に、文字サイズの変更設定も転送対象に含めると特許侵害です。 

では、実際のWindowsの転送機能では、文字サイズの転送はしているか?

やってます。 

 

XPは勿論のこと。

7では、設定の転送範囲が簡略化されました。

多分、MS側が侵害の心配をして、範囲を簡略化したのでしょう。

これで、外見上は、転送対象から外れたように見えるカモ。

それでも、転送から逃れることはできない宿命。

この理由が理解できるかな? 

 

ここで大事なのが、

「MSの実力依存」

という概念です。  

多分、MSは、

「文字サイズの転送はしてない。」

と言い出すはず。

しかしね、深奥では、問答無用で、転送してるのですよ。  

何故か、判りますか? 

多分、君らには把握できないはず。  

 

私が、特許で、設定情報の木構造を論じた理由が理解できてないの。

何故、態々、シツコク、情報を上層・中層・下層と区別付けしたのかです。 

何らかの情報を転送するとします。

ファイルの転送と仮定してもいいですよ。

それに、文字が含まれている(関与している)場合。

内部で、文字サイズの問題が干渉しますね。

この干渉を、見事、断ち切って、転送できるか。

 

つまり、

「文字サイズの変更情報が、何らかのレベルで、引き摺られて転送されるのでは?

その影響が、何処かに表出するのでは?」

こういう懐疑を抱く実力があるかないかです。 

では、具体的に、どのレベルで、どう引き摺られているのか?

その結果、どういう現象が起きるのか?

これについては、次回、詳しく解説します。 

 

こう指摘すると、逆に、 

「この程度なら、当時から、すでに侵害が判っていたはず。

だったら、時効になるのでは?」

こう言い出すカモ。

それが、甘いの。

 

いいですか、MS側は、正式に米国弁護士を日本MSに派遣してきたのですよ。

そして、日本MSの本社で、侵害について、私とミーティングをしたの。

そこで、壁紙の転送を持ち出して、

「すでに、以前からimportできていた。」

と言い出したわけです。

この程度の認識なんですよ、特許弁護士とは。

 

その後も、このポリシーは変えていません。

よって、二つの可能性しか残されていません。

1、文字変更の転送もimportのカテゴリーと言い張る。

当時は、このポリシーで押していたわけです。 

しかし、前回と今回で、それが有り得ないことを論証しました。 

この論証を、いつ、実施したのか?

今でしょう。

だから、今が、時効カウントの開始だと言ってるの。 

 

これをですよ、

「本当は、昔から、判っていたのでは?

だって、誰でも、判るレベルのカテゴリー分けだ。」

なんて言い出すと、自滅行為です。

それを言うなら、MS自身、当時から、判っており。

ゆえに、侵害事実も認識していた。  

「しかし、心の中は、証拠にはならない。」

こういうポリシーでしょう。 

全く、同じポリシー採用してるだけです、当方も。 

 

正式に、課題を表に出した時点が、時効のカウント開始時。

「文字サイズの転送は、importのカテゴリーか?」

違います。 

ただ、まだ一つだけ、侵害回避を主張できるルートが残っています。 

それはね、素直に、importと環境転送が、別カテゴリーだと認めた上で。

2、文字サイズの転送は、import以外の、何らかの、以前の機能で実現されていた。

と主張する道です。

 

果たして、これが可能か? 

但し、これは、訴訟が始まってから、後の話。

だから、時効は無関係。  

いずれにせよ、これで時効問題は発生しないことが確定です。 

 

まとめると、今回論証したのは 

「文字サイズ変更の(転送結果に対する)影響が出ることが特許侵害の証拠」

となります。  

次回は、この課題について、技術職人相手に、もう少し詳しく。 

私はプロの論理学者ですから、この程度では、終了はしないの。 

というか、ビッグビジネスですから、引き下がるわけにはいかない。 

 

①Windows XP、7で、どのレベルで、どういう引き摺りが生起し、どういう現象が発現しているのか?

を具体的証拠付きで開示します。

更に、

②以前の、どの機能にも、こういう現象は起きなかった。

ことを、キチンと論証します。